5/12/2021

血圧を抑制してくれる貴重な食材

充実した生活を送るために、大切な基礎となるのが血圧のケアだ。日本人のおよそ3人に1人は高血圧を抱えており、さらに75歳以上に限ると、該当者は男女とも7割以上にのぼる。対策としては適度な運動に加え、健康的でバランスの取れた食生活が有効だ。高血圧の際に避けるべき12種の食品と、血圧を抑制してくれる貴重な食材8点を紹介する。


貴重な食材


1.サケなど脂身の多い魚(多脂魚)

血圧をコントロールしてくれる食品が存在する。サケもその一つで、朝食などで気軽に摂取できる嬉しい食材だ。サケをはじめとする脂身の多い魚は一般に多脂魚と呼ばれ、DHAやEPAなどのオメガ3脂肪酸の宝庫となっている。オメガ3脂肪酸は、血圧を抑制し、心血管系を正常に保ってくれる働きで有名だ。一日あたりの摂取量として、80〜170gの魚を食べるよう意識したい。

2.チアシードなどのシード類

 発芽のためのエネルギーが詰まった植物の種も、積極的に摂りたい貴重な栄養源だ。近年健康への効果が注目されているチアシードは、カリウム、マグネシウム、食物繊維をふんだんに含んでいる。毎日35gのチアシードを高血圧の人々に飲ませる実験をしたところ、血圧の薬を飲んでいる人でもそうでない人でも、12週間後には高血圧が改善する効果が確認されている。また、アマニ油の原料となるフラックスシードも、12週間摂取することで血圧を低くする効果が出ている。このほか、かぼちゃやひまわりの種などもマグネシウムを含み、同様の効果が期待できる。その場合は無塩のものを選び、サラダにかけるなどして、一日あたり小さじ1〜1.5杯程度を目安に摂取しよう。

3.葉物野菜

ヘルシーな食品として知られる葉物野菜は、血圧が気になる人の味方でもある。セロリはフタリドという有機化合物を含み、血管を柔らかくして血圧を抑えてくれる作用を持つ。ブロッコリーはフラボノイド抗酸化剤が豊富で、血圧をコントロールするほか、体内の一酸化窒素を上昇させて血管の働きを助けてくれる。硝酸塩やカリウムなどを多く含むほうれん草も、高血圧に悩む人々の強い味方だ。これ以外にも、レタス、キャベツ、ケールなどが知られている。適量を摂取することで、血圧を低く保つ効果が24時間ほど持続するようだ。

4.発酵食品

 カルシウム豊富なヨーグルトは、血管をサポートしてくれる貴重な食品だ。血管の強度を増してくれるだけでなく、必要なときに十分に伸びるよう柔軟性を持たせてくれる。不要な脂質と糖質を避けるため、できるだけ砂糖無添加のプレーンヨーグルトを選びたい。少し味気ないと感じたなら、ベリーを添えるのも良いアイデアだ。18歳から30歳までの女性を対象としたアメリカの実験では、週5回以上ヨーグルトを摂取する人々は、そうでない人々よりも高血圧になるリスクが20%ほど低いことが判明した。ちなみにヨーグルト以外にも、味噌やリンゴ酢など、発酵食品は一般に血圧の安定に良いとされている。

5.豆

栄養価の高さで知られる豆類は、血圧抑制にもパワーを発揮する。食事の一部をレンズ豆などさまざまな豆類に置き換えることで、収縮期血圧と平均血圧の両方が下がることが確認されている。これは高血圧症の人々にもそうでない人にも当てはまるようだ。豆のほか、おやつで気軽につまめるピスタチオも有益だ。ナッツ類には血管の緊張を和らげる効果があるとされており、とくに緊張状態にあるときに食べることで、血圧の上昇を緩和できる。

6.ハーブとスパイス

 一部のハーブとスパイスは、血管を柔軟にして血圧を下げてくれる有機化合物を含んでいる。サフラン、レモングラス、コリアンダー、シナモン、カルダモン、ブラッククミン、チョウセンニンジン、スイートバジルなどがその一例だ。より身近なところでは、生姜とガーリックも同様の効果を持つ。食塩を減らし、かわりにハーブとスパイスを使えば、血圧対策をしながら豊かな風味を楽しむことができるだろう。

7. ベリーとフルーツ

スナック類をひかえるのが血圧対策の基本だが、口寂しいときにはフルーツ類を摂取しよう。ベリー類では、ブルーベリーやストロベリー、そしてブラックベリーなどを積極的に食べたい。これらの美しい色彩はアントシアンと呼ばれる色素によるもので、人間の体内に取り込むと、動脈を拡げて柔軟にしてくれる。ほか、かんきつ類、バナナ、キウイ、スイカ、ザクロなどの身近なフルーツも、それぞれ血圧上昇を抑える働きを持つ。

8. ダークチョコレート

糖分を我慢できなくなったなら、カカオ含有率70%以上のダークチョコレートで乗り切ろう。ガーリックと同じようにフラバノールと呼ばれる抗酸化物質を含むため、体内の一酸化窒素レベルを上げ、血管を拡張する作用を持つ。高血圧の人々を対象とした実験において、実際に血圧を下げる効果が確認されている。ただし食べ過ぎは禁物で、一日あたりひとかけらまでに抑えるのが理想だ。

リスク食品



1.  ハム、ベーコン、ローストビーフなど - 多量の塩分と硝酸ナトリウム
2.  冷凍食品 - 塩分のカタマリとも言うべき存在
3.  カフェイン - -最大3時間ほど血圧が高まる可能性がある
4.  アルコール - 女性であれば350ml缶1本またはワイン120mlまで
5.  缶詰 - 滅菌処理で風味が失われ、これを補うため塩分が多く添加
6.  漬物
7.  パン、サンドイッチ
8.  炭酸ジュース
9.  スナック
10.外食 - 中華は塩+糖+脂
11.ファストフード - 思っている量の6倍の塩分!
12.調味料