12/28/2022

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DuckDuckGo(ダックダックゴー)

ユーザーの個人情報の保護と利用履歴等を記録保存しないことを方針としている検索エンジンである。検索エンジンのパーソナライズを目的として個人情報を積極的に収集するGoogle等の検索エンジンに相対するものとして注目されている。

通常の検索エンジンは、パソコンやスマホなどにCookieを使用したりIPアドレスを使用し、ログイン情報や過去の行動記録を保存したりすることでユーザーに対する検索結果や広告の最適化を行うのが一般的である。DuckDuckGoはユーザーの個人情報や検索履歴を保存しないことで、ユーザーがプライバシーの観点から安心して使用できる設計となっている。

SNSを始めとするWebサービスをパソコンやスマホから使うときの不安や心配のひとつは「個人情報の漏洩」である。金銭的被害だけでなく犯罪に巻き込まれる危険があるからだ。

しかし、具体的にどんな危険があり、どうしたら防げるかが分からない。分からないけど便利だから、日常的にいつでもどこでもスマホを使っている人が大半だろう。Webを制作、運営する人にとってはセキュリティとプライバシを保護することが最重要課題である。

個人的趣味で自営サーバとオープンソースを使ったSNSを構築・運営した人間にとっては、セキュリティとプライバシ問題が一番気がかりである。経済的にも法的にもリスクを最小限に抑制する努力をするのは習性になっていた。

だが、サーバ運営をしなくなってからはセキュリティもプライバシも日常的に意識することが少なくなった。スマホを買い替えたり、パソコンの設定を変更したりする時に意識するくらいである。

ブラウザはパソコンでもスマホでも長年 Chrome(検索エンジンGoogle) を日常的に使っている。数年前から大企業病に罹ったのではないかと思うくらい劣化した一部の機能(とくにMyMaps)を除けば、セキュリティも機能も性能も第一級であることは間違いないだろう。

Google検索エンジンの特長

Googleはユーザーの役に立つサービスを提供するために、以下のようなデータを収集し、利用している。

  • 検索内容
  • アクセスしたウェブサイト
  • 視聴した動画
  • クリックまたはタップした広告
  • 現在地
  • 端末情報
  • IPアドレスとCookieのデータ

これらのデータを収集することで、関連性の高い検索結果を表示したり、個人の趣味嗜好に合った広告を表示したりすることが可能になっている。

ユーザが注意しなければならないのは、これらの情報には、他人に知られたくないプライベートな情報が多く含まれているということである。

Googleは利便性を追求しているだけだというが、それによってユーザのプライバシーを侵害する行為が行われる可能性があることも事実である。これはGoogleに限らない普遍的な問題である。

個人情報漏洩

検索エンジンのプライバシー保護が注目を集めるきっかけとなった事件が2013年にアメリカで起こった。アメリカ国家安全保障局(NSA)が「PRISM」と呼ばれるシステムなどを利用し、GoogleやFacebookなどネット企業9社のサーバーに直接アクセスし、大量に個人データを収集していた。これを敷衍すれば、悪意のある個人や組織が金と時間と技術をもってすればハッキングして個人情報を盗めるということである。だからといって個人情報のやり取りや保存をするなとは言えない。デジタル社会の宿命である。

利便性の不便さ?

Google検索エンジンの一番の不満は、「行き過ぎたパーソナライズ機能」(Echo Chamber Effectと密接な関係)である。それがGoogle検索エンジンの最大の特徴であり、広告収入増大の原動力であることは知っている。企業戦略として重要なことは理解する。ユーザとしても、何かを探すときにヒット率が高くなり効率が良いという点では非常に便利であることは認める。

しかし、これが困ることがある。検索結果が画一的になり多様性に欠ける側面があるからだ。たとえば服でも靴でもパソコンでも、買いたい商品を探すと自分の気に入るような商品が表示される。便利である。それはその通りだが、時には目先の違った斬新なものを選びたい。マンネリから脱却したいときは困るのである。リセットして検索すれば良いが、それも困るというジレンマがある。

この相反する問題は、検索エンジンを切り替えて対処すればよい。ChromeやSafariなどでは検索エンジンをDuckDuckGoに設定できる。私の場合は、ブラウザを使い分けている。一過性の検索や第三者的な検索で調べる時は、ブラウザFirefox Focus + 検索エンジンDuckDuckGo を使う。広告表示が少なく速いという利点もある。


DuckDuckGo(ダックダックゴー)以外にも、プライバシー保護型検索エンジンがある。

 ■Epic Privacy Browser
高速で安全な暗号化プロキシ、広告およびトラッキングブロックなどの機能が組み込まれている Webブラウザで、デフォルトで履歴などを保存しないシークレットモードで動作することができる。

HTTPS Everywhere
暗号化された通信(HTTPS)に対応していることがわかっているウェブサイトの一覧をもとに、HTTPSの接続に切り替える。
 
Brave
広告ブロック機能を搭載しており、また、Brave Paymentと呼ばれる機能で、特定のWebサイトの運営者に匿名でデジタル通貨を送金することも可能である。