柯隆(東京財団政策研究所)…習近平就任以来408万人を粛清した。収容施設を作るだけで経済が発展する(笑) 2020年 5G関連投資に1兆5千億円を投資。貯蓄率GDP比45.7%(日本11.3%) 輸出入総額4兆6462億ドル過去最高。SCM再編で中小企業倒産が増える。資金繰りに高利(49%)の地下銀行を利用。覇権主義・人権侵害などで諸外国から嫌われる。
▷先進国で中国に対する認識悪化、日本では88%が否定的-ピュー調査 Bloomberg News 2021年7月1日
寺島実郎(日本総研)…人民に奉仕する("裸足の医者")共産党から人民を指導する共産党になった。
渡部恒雄(笹川平和財団)…バイデン政権を評価。中間層の支持を得る政策。強硬な対中政策が分かりやすい。人権問題を背景に西欧諸国を始めとした国際協調路線をとり、サイバー攻撃(ランサムウェア)を仕掛けるロシアと対峙する。国内に不安を抱かえる中国とアメリカは協調できない。
寺島実郎…アメリカの2020対中貿易は5592億ドル(前年比プラス) 、日米貿易は 1833億ドル(マイナス350億ドル) 米中は選別的対立!外交の背景に共和党と民主党という国内での政治分裂が大きく影響。白人プロテスタントの7割はトランプに投票したのは驚きだった。
▷中国は近く台湾に侵攻する?― 重層的誤算と戦争リスク 2019/4
▷中国の台湾侵攻は近い ― 現実味を帯びてきた武力行使リスク 2021/7
柯隆…強権復権の条件として経済・軍事・文化の強化が必要。 しかし、自由のないところに文化は芽生えない!文化がなければ好かれない。
寺島実郎…自由という尺度での文化力がいるという意味は大きい。文明文化の中心にいるという過信ともいえる中華思想が鼻につき嫌われる。
渡部恒雄…柯隆さんが(嫌中の世の中だから)出歩かないようにしていると仰ったが、1989年のアメリカを思い出した。日米貿易摩擦が過熱し、デトロイトで中国人が日本人に間違われて殺された事件があった。今は嫌中でアジア人が巻き込まれている。白人至上主義の人がいる。
寺島実郎…「抑圧的寛容」: 自分が圧倒的優位にある時には、アメリカ人ほど思いやりがあって優しい国民はいない。ところが、自分を凌駕し、超えた存在になると思った瞬間には、ある種の嫉妬心と猜疑心に燃えて襲いかかってくる。尊敬が憎悪に変わる瞬間がある。
渡部恒雄…米中対立が続く中で、日本は上手くやれば存在感を増せる。伝統的なリベラルとは意見が合わないが、憲法九条の枠内にいるだけでは、ただ単にアメリカに追従するだけである。日本独自の軍事力が持てれば良い意味での影響力を行使できる。(憲法改正なしでは袋小路のままで苦労する)
柯隆…日米の格差はシンクタンクの差。中国研究、情報分析、政策企画の力が弱すぎる。日中の国民性の違いを理解…問題に直面したとき、日本人は理屈をいう。理屈を考え、理に訴える。中国人は、理屈ではなく、情に訴える。感情的になる。だから議論は噛み合わない。
寺島実郎…松本重治「国際関係の中の日米関係」で、日米関係は米中関係だと指摘している。必ず中国が絡んでくる。台湾には米軍基地がない。有事には沖縄米軍基地が代替となる。「米中戦争を回避する役割は日本の大変重要な役割」という言葉を遺言のように残している。中国との貿易は26.5%に増えた。中国の脅威に晒されながら経済は依存するという難しさがある。