1920年〜30年代に、ジョン・コッククロフトに代表される粒子加速器の研究に従事していた物理学者たちは、陽子(水素原子核)を加速し、軽い核に当てると破壊を伴いながら融合し、大きなエネルギーが解放されること、すなわち核融合反応(nuclear fusion)を発見していた。
しかしながら、加速器による連続的な核融合反応を起こすためには摂氏数億度もの高温が必要となることから、以後に発見された核分裂反応ほどには当初は着目されなかった。
核融合炉は高温高圧によって発生する反応プラズマを封じ込めるための技術開発が困難を極めている。
核融合の種類
熱核融合超高温により起こる核融合。
衝突核融合
原子核を直接衝突させて起こす核融合。原子核の研究に使用される。
スピン偏極核融合
陽子と中性子の角運動量のパラメータ(スピン)を制御する事により核融合反応を制御する。
ピクノ核融合
非常に高密度の星(白色矮星)の内部で起こっていると考えられている核融合反応。
ミューオン触媒核融合
負ミューオンは電子と電荷は同じだが約200倍の質量を持つので束縛軌道半径が約200分の1である。そのため、電子を負ミューオンに置き換えると原子核同士が接近しやすくなり核融合が起こりやすくなる。
核融合炉
2021年時点では開発段階であり、21世紀前半における実用化が期待される未来技術の一つである。