中国製スマホやアプリは、中国で国家情報法、国防動員法が成立し、中国版GPS(Beido)がフル稼働してから、スマホ利用者の個人情報(顔情報や位置情報も含む)が盗まれる危険があるだけでなく、国家レベルでの安全保障上のリスクがあると認識されており、欧米の政府機関では禁止される傾向にある。
日本で普及したIM(Instant Messenger)の代表的なアプリに LINE (SNSのひとつという人もいるようだ)があるが、これも安全性(セキュリティ)の面から推奨できない。過去に何回か個人情報が漏洩している。加えて、LINEは韓国製だが、サーバが中国にありユーザの個人情報が見られていたことが発覚し、大問題になった。
昨年秋に同窓会でLINEを連絡用に使おうという提案があったが、私は賛成できなかったのはこうした理由からである。昨年11月にヤフーLINEになったが、認証基盤の脆弱性は改善されず、一か月後には不正アクセスがあり、44万件の個人情報が漏洩した。私の危惧は現実になった。
LINEに代わるIM
歴史的には30年前からあり、テキストのやり取りだけなら私でもプログラムを作れるほど簡単だが、セキュリティの確保は難しい。WEB2.0と呼ばれた潮流の中から、たくさんのIM(メッセンジャーとかチャットとか呼び方は様々)が生まれたが、2010年以降はスマホが主流になりパソコンでのIMサービスは淘汰されていった。老舗ともいえるAIM(AOL IM 1997開始)やYahoo!メッセンジャーも2018年にサービス終了となった。
独立系で生き残っているのはICQくらいだろうか?ICQ(イスラエル開発)は、IMの先駆でもあり1996年にサービスが開始され、その時から私も使ってきた。このブログサイトのサブドメイン番号2054606が私のICQ識別番号だった。数年前にログインIDは電話番号に切り替えられた。
1998年にAOLが買収し、2010年にはロシアのMail.Ruが買収した。同じ頃 LiveJournal もロシアに買収されたことを考えると、通信やSNSの重要性に着目したロシアの国策だったのかもしれない。
今から30年前の古い話になるが、ソ連崩壊に伴ってシリコンバレーにロシア人が移住し、IT分野で活躍するようになった~という記事を読んだことがある。日本でいう非正規従業員として安価に彼らの頭脳を使えると人気で、私も何人か採用(契約プログラマー)した思い出がある。
人気のIMアプリ
数年前の世界のユーザー数ランキングで見ると、1位「WhatsApp」、2位「Facebook Messenger」、3位「QQ」、 4位「WeChat」 、5位「Skype」だった。LINEは圏外でガラパゴス化している。
WhatsAppはヨーロッパで人気で、Facebookが2014年に買収。Messengerは、Facebookが2011年に買収したBelugaが開発。つまり一位、二位はFacebook配下の製品。QQとWeChatは中国テンセント開発・提供。
テンセントはTikTokも提供しており、ファーウェイやShein、Temuなどと同様に、安全保障上の問題で各国政府から締め出されている。
日本では、デジタル大臣(河野太郎)自らがTikTokを使おうと煽るなど馬鹿丸出しである。河野一族がガチガチの中国利権屋だから意図的にやっているのかもしれない。太陽光パネルの利権はよく知られているが、左翼新聞は報道しない。
Skypeは元々はインターネット電話ソフトで、当然IM機能もある。10年ほど前からはビデオ会議に多用されるようになった。日本ではZOOMが普及したようdが、これも不正アクセス問題が発生しており私は使わない。
安全なIM
私はICQを一番長く使ってきたが、SNS主流になってからはSNSのメッセンジャー機能を日常的に使うようになった。Facebookの前は、MySpaceが音楽・エンタメ分野を中心にした最大のSNSとして人気を誇った。
同じ頃、日本ではMixiが最大だったが会員数はMySpaceの20分の1の数百万人くらいだった。facebook日本版が提供されるとあっという間にMixiはもちろんMySpaceも追い抜かれた。日本版MySpaceモバイルは、宇多田ヒカルとのコラボもあり盛り上がったが2010年にサービス終了となった。話が逸れた。
安全なIMは何かという問いの答えは難しいが、あえて言うならSignalかも知れない。最初から高いセキュリティ確保を最優先に開発されたという理由と、LINEのようなゴタゴタがなくシンプルなMMIで使いやすい。日本の政府関係者や保守言論人の多くが使っている。
facebook Messengerも安全につながりプライバシーを守る工夫があり、facebookとは独立して使える。facebookはSNSの特性とプライバシ保護機能をきちんと理解して使う必要があるが、Messenger単独で使う限りはそれほど深い知識は要らない。1対1の連絡かグループ内の1対nの掲示板あるいはチャットとしての簡単な使い方で良い。
ビジネスとしての利用なら、ビジネス系SNSとして人気のLinkedinが推奨である。これを起業した男が米国での部下だった時期があり、親近感と応援の意味もある。
〔参考資料〕
- 「LINE」と「Messenger」の違い~最終更新日: 2019年09月03日 簡単に言えば、LINEは若者向け、Messengerはビジネス向け。LINEはメッセージ以外のゴテゴテした機能が鬱陶しく、子どもじみた謎のキャラクターが不愉快だという感情的な問題もあるが、PCとスマホ同時にログインできないので仕事では使えなかった。その後改善されたのかもしれないが、使わなくなったので知らない。Messengerは10年前からスマホ、タブレット、PCのブラウザなど、あらゆる端末から利用でき、汎用性が高かった。
- 「QQ」って何?7億人が利用する謎の中国アプリ
若者とくに10代に人気のIMで、10年前まではパソコンでの使用が主流だった。日本ではKDDIが提携しauスマホ向けに配信された。その後どうなったかは知らない。 - 個人情報に関する問題を繰り返すLINEヤフー、根底にある要因は何なのか 2023.12.1
- LINEの個人情報流出問題、総務省が「報告徴収」実施…不正 ...2024/02/08
韓国のNAVER Cloud経由で不正アクセスを受け、40万件以上の個人情報が漏洩した。2023年10月1日にLINEヤフーが誕生した直後にまた情報漏洩が起こった。元々韓国NAVER(旧LINEの親会社)Cloudの認証基盤が脆弱だったことに起因する。
2021年3月には中国の関連会社から利用者の情報が閲覧可能になっていたことが発覚。同時期に中国版GPS(衛星32個)運営開始、スマホから位置情報が抜かれる危険が高まり、国家情報法に加え、反スパイ法が制定されるなどして安全保障上の問題が危惧された。 - 〝何度目だ〟LINEの安全性に疑念 情報流出拡大、新たに最大7万9000件か 社内連絡用のメールやシステムから漏洩 24/ 2/15(木)
- システム開発・運用「韓国依存」、LINEの情報漏洩…元親会社に委託 24/2/22