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12/20/2022

将東遊題壁

幕末の尊皇攘夷派の僧 月性は、「人間到る処青山有り」という言葉で有名な漢詩「将東遊題壁」(男児立志出郷関 学若無成死不還 埋骨豈期墳墓地 人間到処有青山)の作者としても名高い。Wikisourceにも掲載されている。

ところが、関西吟詩文化協会では、その作者は「村松文三」だとしている。月性が27歳のとき大阪に遊学する際に、同時期に交際のあった村松文三の詩を壁に書いたのが、月性作だと誤解されて伝わったという説である。

壁に題す  <村松 文三>

男児志を立てて 郷関を出ず
学若し成る無くんば 死すとも還らず
骨を埋む豈惟 墳墓の地のみならんや
人間到る処に 青山有り

へきにだいす <むらまつ ぶんぞう>
だんじこころざしをたてて きょうかんをいず
がくもしなるなくんば しすともかえらず
ほねをうずむあにただ ふんぼのちのみならんや
にんげんいたるところに せいざんあり 

※詩吟では「人間」は「にんげん」と読んでいるが、意味は「じんかん」すなわち「世の中」と解釈される。